羊毛フェルトのぬいぐるみを作るのに、何回チクチク針を刺すのがベストなの?
- ボクソウチ@三介
- 2018年6月13日
- 読了時間: 4分
前回、初心者ながらに羊毛フェルトに果敢に挑み、間違ってポケットにいれたまま洗濯してしまったティッシュを完成させた三介でございます。こんにちは。
羊毛のふわふわとした素材を活かし、可愛らしいぬいぐるみを作ることができる羊毛フェルト。しかし、そのキュートな外見とは裏腹に、羊毛フェルトのぬいぐるみ作りは、初心者が簡単に作れる程かんたんではないことを思い知らされたのでした。
作りはじめる前までは、「チクチクすれば何とかなるだろ」と思っていたことと、その失敗は前回お話いたしましたが、実際チクチクはじめてハタと気づいたことがありました。
「そういえばこれって、何回チクチクすればいいの?」
■そもそも何でチクチクすると羊毛が固まるの?

100円ショップで買ってきた羊毛フェルトスタートキットには、きちんと説明書がついていました。「これは頭と体用の黄色い羊毛フェルトですよ」「茶色い羊毛フェルトは●cm×●cmぐらいに広げてね」と分かりやすく書いてあるのですが、そういえば「頭用の羊毛フェルトを●回針で刺してください」とは一言も書いてないのです。
説明書を最初に一通り読んだ段階では気づかなかった事実。巧妙なトリック。意識の隙間をついた犯人の仕掛けた罠。誰も気づかないまま、孤立した山荘に取り残された面々は羊毛をチクチクしはじめる。チクチクチクチク…そして誰かがこうつぶやく。「なあ…」「俺たち何回チクチクしたら良いんだ?」
知らんがな(´・ω・`)
と、放っておいたら山荘の面々が殺人鬼による復讐の惨劇の被害者になってしまいかねないので、まずは羊毛フェルトの原理から簡単にご説明します。
羊毛のかたまりを針で刺すと、針の先についた溝が羊毛にひっかかって、羊毛と羊毛を絡ませていきます。こうすることで羊毛のかたまりがどんどん固まっていきます。(こうして固めていくことを、フェルト化する、といいます)
針の先で羊毛をつぶして固めているわけではないのですね。
■羊毛を針で刺す回数の目安とは?
そして、肝心の針を刺す回数ですが…「あなたの針を刺す強さと、作りたいぬいぐるみの硬さによる」のです。
ああ、今のあなたの失望が手に取るように分かります。そんなことだろうと思ったよ、もういい、この店には二度とこない。月の出てない夜は気をつけろよ。この大マヌケの単勝1倍代で直線ドン詰まり野郎!
そんなお叱りの声が出るのもごもっともです、ハイ。
ですが、実際のところ、具体的な回数は書きようがないというのは仕方がないところでして、例えば初心者の僕が刺す100回とプロの方が刺す100回は、力の入れ方も針を刺す角度も異なり、再現性がないのです。同じ人の100回でも、機嫌が良い時の100回と別なことに気をとられている時の100回では、全く別物かもしれません。
ここでも、前回お話した「完成形のイメージを作り上げる習慣」が大切になるのですが、あなたがイメージする完成形より、今あなたの手元にある羊毛がフワフワして大きいようでしたら、もっとチクチクする回数を増やすべきです。イメージに近い大きさと固さになってきていたら、仕上げにうつるタイミングです。

お料理する時もそうですよね。「砂糖少々」は具体的に何グラムかを表記することができないのです。実際に目の前にあるお鍋の中身を味見しながら、ちょうどよい具合に調整していくのです。
そうしていくつか制作をこなしていくにつれ、「前に作ったときは、●cmのサイズで●時間かかったな」とか「あの時は●時間ぐらいチクチクしたら、ちょっと小さくなっちゃったから、今回は少しチクチクする回数を減らしてみようかな」という風におおよその目安が、自分の中でできるようになってくると思います。そうすれば、「この大きさの球体をこれぐらいの固さで作るには、5cm×5cmの羊毛を1時間チクチクすれば良い」というようなあなただけのレシピができるかもしれません。
■ウマコロのレシピ(チクチクの回数編)
終始、話が漠然としてしまったお詫びというわけではございませんが、ご参考までにウマコロができるまでの針を刺すおおよその回数を書かせていただきます。

ウマコロは、背の高さ約7cm、幅約4cm。
体のベースを作るのに約10,000回。頭のベースを作るのに同じく約10,000回。さらに耳、馬具、体の仕上げ、顔の仕上げまで含めると約30,000~40,000回チクチクしています!
…結構、チクチクしていました。
思ったより多くて、自分でちょっと圧倒されている感すらあります。
なので、一度にまとめて何時間も作業をすると、手や腕に負担がかかって腱鞘炎などにもなりかねませんし、それ以上にせっかくのヤル気を使い切ってしまいかねません。
料理も羊毛フェルトも、腹八分目ぐらいを目安に、健康に気を使って取り組みましょう(笑)
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