初めて羊毛フェルトでぬいぐるみを作る人が意識すべき、一番大切なこと。
- ボクソウチ@三介
- 2018年6月4日
- 読了時間: 4分
更新日:2018年6月7日
たまにネットやテレビで、芸術のように素敵な作品が紹介されることもある「羊毛フェルト」のぬいぐるみ。
各地でおこなわれている「手作り市」や「クラフトフェスタ」なんてイベントでも、羊毛フェルト作家さんが出展していることも多く、実際に手にとって見たことがある方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
ネットで少し調べてみると、100円ショップで道具と材料がセットになった「スタートキット」で誰でも気軽にはじめられる!という情報が出てきます。
実際に「まずは100均のこれで」と思って、試しに羊毛フェルトを付属のニードルでチクチクされた方も多いかと思います。

ぶっちゃけ、チクチクしてたらそれなりに仕上がるんじゃないの?チクチクするだけだし。
実際に僕もやってみました。
■思っていたよりも、思ったとおりにならない。
初作品。

…見本と見比べられるだけに、稚拙さが強調される。つらい。
確かに見よう見まねどころか、「羊毛フェルトに針を刺していると、いつの間にかぬいぐるみになってる」ぐらいのふわふわしたイメージではじめたものでして、結果仕上がりもふわふわしたものになってしまいました。
ふわふわ云々の前に、「私はキリンで良かったんでしたっけ?」と自問自答してそうなパンチのある外見のインパクトによって話の筋がどこかに行ってしまいそうになっている。
「本当は黄色いかりんとうじゃなかったでしたっけ?」「こぼしたカレーを拭いた後のウエットティッシュだったりとか?」みたいな確認がこのキリンさんからどんどん届いてくる。誰が好きこのんで使用済みのウエットティッシュを羊毛フェルトで作るか。そんなわけないだろ。
で、話を踏まえつつ本筋に戻すと、ふわふわした可愛いぬいぐるみを作るつもりで出来上がったこのキリンさん。どうもこれは、作り出した時に思っていたふわふわではないような…。なんか、スカスカというか、実体がないというか…。
そう、ぼんやりしているのだ、これは。物体なのに、淡い。希薄。半透明。
■羊毛フェルトは、仕上がりをしっかりイメージすることで、ぼんやりしなくなる。
そこで、ウマコロの製作者「なり」 に、羊毛フェルトのぬいぐるみがぼんやりしてしまう原因を聞いてみました。
「技術的なものとか、道具とか、そういう要素もある」
「けど、一番大切なのは、作りたいものをしっかりイメージすること」
「どういう形のものが出来たらゴールなのか、自分が分かっていなかったら、どんなテクニックや立派な道具があっても無駄になるだけ」
ハッ!(゚ロ゚;)
つまり、どれくらいのサイズにしたいかイメージできていれば、それにむかって針を打つ強さと回数が決まってくる。羊毛フェルトの塊がイメージより大きい段階では、針を強く、多くの回数打つ。イメージした大きさに近づいてきたら、針にはあまり力をいれず、調整しながら打てば良いのです。

もちろん言うは易し。行うは難し。
イメージするにしても詳細に仕上がりをイメージすることにも慣れが必要でしょう。そのイメージに近づけるためのテクニックは、繰り返しぬいぐるみの制作をおこなうことによってのみ身に付くものでしょうし、良い道具を使ってこそ作業が効率化されるということはあるでしょう。
「イメージする習慣」も「針を刺すテクニック」も、どちらも大切な要素です。
ですが、僕自身がそうであったように、初心者が羊毛フェルトに挑戦すると、手元にある羊毛と針にばかり意識が集中しがちです。そして全体を見失い、ぼんやりするのです。
だからこそ、初めて羊毛フェルトでぬいぐるみを作るときに一番大切なことは、「作りたいものをしっかりイメージすること」なのです。
■デキる人ほど、イメージを作り上げる手間を惜しまない。
ゴールのイメージをきちんと作り上げてからスタートするという習慣は、羊毛フェルトに限らず重要な習慣であろうと思います。イメージトレーニングが筋トレの効果を上げる、なんていう話もあります。

「ウマコロ」を作るにあたっては、資料集め~制作イメージの完成までに、2~3時間ぐらいかけています。メンコや流星といった分かりやすい特徴から、口周りの色や蹴り癖リボンなどファンでも忘れがちな特徴まで、しっかり資料を確認した上でイメージを構築し、デフォルメされたコロコロしたボディに詰め込んでいきます。
「大好きなおうまの可愛さを感じてもらえるように頑張ります!」(なり)
とのことですので、これからも温かい目で見守っていただけると幸いです!
「それと、この文章なんだかゴチャゴチャしてるけど、ちゃんと出来上がりをイメージしてから書いたの?」(なり)
…ごめんなさい。
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